心理学のサンプル問題
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問題 1
セリグマンが犬を使った実験で発見した「学習性無力感」が生じる条件として最も正確に説明しているのはどれでしょう?
- 苦痛を繰り返し経験することで感覚が鈍化(馴化)すること
- 他者が無力な姿を見せることで無力感が伝染すること
- 嫌悪刺激が強すぎて身体的に動けなくなること
- 回避不可能な嫌悪刺激を繰り返し経験することで、その後に回避できる状況になっても行動しなくなる
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正解: 回避不可能な嫌悪刺激を繰り返し経験することで、その後に回避できる状況になっても行動しなくなる
学習性無力感は「どう行動しても状況が変わらない」という経験が原因。身体的な無力ではなく、コントロール不可能という認知・期待の形成が核心。他者からの伝染(代理的無力感)とも、単なる馴化とも異なる。ベックの抑うつ認知理論やアブラムソンらの帰属モデルとも連接する概念。
TIPS
「何をしても無駄」という期待が行動を止める
問題 2
すでに払ったチケット代が惜しくて面白くない映画を最後まで見続けてしまうように、回収できない過去のコストに引きずられて合理的な撤退ができなくなる心理的傾向を何というでしょう?
- 現状維持バイアス
- サンクコスト効果
- 認知的不協和
- 損失回避
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正解: サンクコスト効果
サンクコスト効果(埋没費用効果)とは、すでに使って取り戻せないお金・時間・労力を惜しんで、合理的に見てやめるべき行動を続けてしまう傾向です。「もったいない」という気持ちが判断を歪めます。損失回避は「損失を避けたい気持ちが利益を得たい気持ちより強い」傾向で別の概念です。現状維持バイアスは変化を嫌い今の状態を好む傾向です。認知的不協和は矛盾した気持ちから生じる不快感で、やめられない理由とは異なります。
TIPS
「使ったお金・時間がもったいないからやめられない」→サンクコスト効果。取り戻せない過去の投資に縛られる心理。
問題 3
褒められると行動が増え、叱られると行動が減るという、行動の結果によって自発的行動の頻度が変化する学習理論を何というでしょう?
- 認知地図学習
- 社会的学習理論
- オペラント条件づけ
- 古典的条件づけ
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正解: オペラント条件づけ
オペラント条件づけは、行動の直後に起こった結果(報酬や罰)によって、その行動の起こりやすさが変わる学習メカニズムです。褒める(正の強化)と行動が増え、怒る(正の罰)と行動が減るという現象はこの理論で完璧に説明できます。古典的条件づけは中立刺激が新しい反応を引き起こすようになる現象で、ここでは当てはまりません。社会的学習理論は他者を観察して学ぶことが中心で、この状況ではありません。認知地図学習は空間認知に関する理論です。B・F・スキナーがこの理論を研究し、日常のしつけや学校の成績制度もこの原理に基づいています。
TIPS
『行動→結果』という順序がポイント。結果(褒める・怒る)が行動の頻度を変える、という流れをイメージすれば簡単に判別できます。
問題 4
フリストンの自由エネルギー原理(予測符号化)が脳の働きを説明する中心的な考え方として、最も適切なのはどれでしょう?
- 脳は感覚入力を予測し、予測と実際のずれ(予測誤差)を最小にするよう知覚と行動を調整する
- 予測符号化は視覚皮質だけのモデルで、運動や情動、社会認知には当てはまらない
- 事前の予測は経験で変わらず、感覚データの尤度だけが更新されて知覚が成立する
- 脳は予測誤差をできるだけ大きくする方向に行動し、驚きを最大化して新奇さを求める
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正解: 脳は感覚入力を予測し、予測と実際のずれ(予測誤差)を最小にするよう知覚と行動を調整する
自由エネルギー原理では、脳は世界の生成モデルを使って感覚入力を予測し、予測と現実の誤差を最小化しようとします。誤差を減らす道は2つあり、モデル側を更新する知覚か、世界を予測に合わせて変える行動かです。「予測誤差を最大化して驚きを求める」は原理と逆で、脳はむしろ驚き(サプライズ)を最小化します。「視覚皮質だけのモデル」も誤りで、この枠組みは運動・情動・社会認知にも広く適用されます。「事前予測が変わらない」も誤りで、学習によって事前分布(モデル)自体が更新されていきます。
TIPS
脳は「予想を外さないようにする装置」。予想を直すのが知覚、世界を予想に合わせるのが行動、と対で覚えましょう。
問題 5
急速眼球運動(REM)を伴い、夢を見やすい睡眠のステージを何というでしょう?
- レム睡眠
- 入眠時幻覚
- 徐波睡眠
- ノンレム睡眠
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正解: レム睡眠
「レム睡眠(REM睡眠)」のREMは「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」の略で、眠っているのに眼球が素早く動いている状態です。脳は比較的活発に活動しており、鮮明な夢を見ることが多いのはこの時期です。記憶の整理・感情の処理・創造性の向上にも関わるとされます。「ノンレム睡眠」はレム睡眠でない睡眠の総称で、夢はほとんど見ず、脳と体の回復に重要です。「徐波睡眠」はノンレム睡眠の中でも特に深い段階(ステージ3)のことで、成長ホルモンの分泌が最も多く身体修復に重要ですが、「夢を見る」眠りではありません。「入眠時幻覚」は眠り始めの瞬間に生じる幻覚で、睡眠の状態そのものを指す言葉ではありません。健康な睡眠ではノンレムとレムが約90分周期で繰り返され、一晩に4〜5サイクル起きます。
TIPS
レム睡眠=夢を見る眠り(目が動く)。ノンレム睡眠=脳も体も休む深い眠り。どちらも欠かせない。
問題 6
一人でやるより大人数でやる作業の方が、一人当たりの頑張りが減りやすい現象を何というか?
- 傍観者効果
- 同調圧力
- 社会的手抜き(リンゲルマン効果)
- バンドワゴン効果
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正解: 社会的手抜き(リンゲルマン効果)
集団で作業するとき「自分一人くらいは楽をしても大丈夫」という意識が働き、個人の努力量が低下する現象。綱引きや合唱で確認されている。
TIPS
大人数ほど一人ひとりが手を抜きやすい
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